LEDと蛍光灯

多くの携帯電話に、明るい白に光るLEDが付いている。
この低電力の領域では、白熱電球の効率は恐ろしく悪いし、蛍光灯も作れない。
現在のところLEDが最も得意とする分野である。
ただし、直接見るときれいな白だが、照明としては色がいまいちである。
演色性をよくするには、色々な波長の光をバランスよく出す必要があり、原理的に電力効率は下がってしまう。
照明としての色のよさは、直接LEDの光を見ても絶対にわからないので注意。
LEDの電力効率は、大ざっぱに言って蛍光灯と同じくらいである。
蛍光灯と同等の色のよさを求めれば、電力効率で大きく上回ることは難しい。
色のことは抜きにしても、蛍光灯と同等の効率ということは、発熱も同じくらいということだ。
蛍光灯も触るとかなり熱いが、LEDは表面積が小さいため、更に熱くなってしまう。
そして、LEDは熱に弱い。orz
さて、低出力の分野で力を発揮しているLEDだが、もう一つ、得意分野がある。
それは、ディスプレイ(映像を表示するもの)だ。
LEDから出た光を直接見るため、LEDの「色の悪さ」が最強の長所になる。
必要な波長の光だけを出してくれるので、効率がいいのだ。
照明として色がいいとされる白熱電球とは好対照である。
LEDが出す光は単色光だ。一種類の波長の光しか入っていない。
緑色のLEDだったら、どんな色の物を照らしても、どんなフィルターを通して見ても、
絶対に緑にしか見えない。
ただし、蛍光物質に当てることで緑よりもエネルギーの低い黄色や赤は出すことができる。
これは蛍光灯も同じで(ていうか名前からして本家)、紫外線を蛍光物質に当てている。
紫外線だから、紫でも青でも出し放題だ。
白色LEDを作る場合も、紫外線LEDを使えば、青色LEDには出せない色のよさにできる。