詰将棋の立ち位置

詰将棋はルールが難しい。下のように、そもそもが複雑である。
迂回手順(1手詰みがあれば遠回りせずに詰ます)、無駄合(無駄な合駒はしない)、持ち駒が余らないように(玉方はそういう手を選ぶ)、変化同手数(なるべく妙手があるほうへ逃げる)、非限定(なるべく飛び道具は玉の近くに打つ)、2手変長(駒が余る2手長い変化を選ばない)。
初心者が解くような1手詰や3手詰では、これを知らなくてもほぼ問題ない。
5手詰ハンドブックにもある表現だが「王手を続けて詰めばよし」だけでいい。
だけど、もっと詰将棋それ自体を楽しもうとしたとき、ルールが壁になる。
無駄合の定義、許容される余詰めの条件、攻方が詰む手を選んで不正解になるケース、
そういったことが、明文化されて誰でも到達できる場所にあるべきだ。
ルールが曖昧なままでは、
「空気読んで作意手順を解答できるようになるまで詰将棋に親しんでくれ」
と言っているようなもの。
これでは、特に好きでない人は詰将棋をやらない。
そして詰将棋界からは、「それでいい」という暗黙のメッセージを感じる。
余談だが、「王手を続けて詰めばよし」は素晴らしい表現だと思う。
初心者向けでない詰将棋で、ルールがある程度複雑になるなのは仕方ないが、
そのルールの説明も、この「王手を続けて詰めばよし」を詳しく解説するとこうなる、
という形でなされるのがいいと思う。