迂回手順をどう扱ったものか

朝日新聞デジタル:詰将棋の深さ味わおう - 将棋
下のほうに「主なルール」として、詰将棋を解くときのルールが書いてある。
「攻方最短」の記述があるのは横に置いといて、なかなかわかりやすいルールだ。
攻方最短を示すことで、最終手にあるかもしれない迂回手順を簡単に回避できる。
攻方と玉方の2つに分けて記述し、持ち駒に関することを玉方のほうに示しており、
攻方が持ち駒を使い切ろうとしてしまうような誤解が起こりにくくなっている。

どういうルールがいいだろう

ここでは、迂回手順があっても作品として認められると仮定して話を進める。
また、迂回手順以外の最終手の余詰も許容されるとする。
攻方王手、玉方最善、無駄合禁止、これらのルールを前提として、
A・B・Cの3つのルール案を示す。

ルールA(上の朝日新聞のルールと同じ)

攻方最短

ルールB

攻方は迂回手順禁止

ルールC

(追加条件なし)

A・B・Cの違い

ルールAは、手数が長くなる余詰を答えたら不正解になる。
ただし、問題に不備(最終手以外の余詰)があれば、正解扱いにはなるだろう。
余詰を解答して不正解になるのは理不尽だが、ルールに、わかりにくさがない。
自動的に迂回手順も禁止となるので、作り手は解を唯一にするのが簡単になる。
ルールBは、通常の余詰を答えるのは正解、迂回手順は不正解。
「迂回手順」を導入することで、余詰が基本的に正解となるのがメリット。
解を唯一とするのが簡単になるのは、ルールAと一緒。
最終手の余詰は許容されているのだから唯一である必要はないが、気分はよくなる。
ルールC。これは、迂回手順を正解とする案。
余詰は全て正解となり、最もシンプルなルールだ。
寄せられた解答に迂回手順があると嫌だろうけど、それは余詰を仕込んだほうが悪い。
ただ、玉方最長でありながら攻方最短でないことが、わかりにくい可能性もある。
色々と違いはあるが、詰将棋を作る側にとっては、
作品が完全作であるかどうかの判断に影響しない。
よって、解く側にとっても、最終手以外の余詰はないと信頼できることに変わりはない。

どのルールがいいだろう

個人的にはルールBを支持していた。
だけど、ルールで詰将棋を嫌う人も多い中で、ルールAのわかりやすさは魅力的だ。
また、解き手としてはルールCのシンプルさがすごくいい。気に入った。
「それは迂回手順だから不正解だよ」と言われる理不尽な経験をしなくて済む安心感!
作品が迂回手順を含むことの是非については、(全くわからないので)ここでは触れない。