NHK杯、増田・阿久津

増田六段は、NHK杯で何度か見たことがある。5年ぶりらしい。もうそんなに経ったのか。解説によると、力戦に持ち込めればそれでよしというタイプらしい。いいね。憧れる。目標にしたい。しかし、定跡をよく知っているからそれができるんだよねえ。
増田先手で、後手飛車先不突き矢倉。先手は▲35歩△同歩▲84銀と仕掛ける。それも、金が離れ駒なのに!後手は当然反撃してくる。△55歩▲同歩△52飛。これには▲56金!もちろん後手を持って簡単ではないが、先手の陣形はいかにもバラバラで実際バラバラである。
後手阿久津は、いいタイミングで△75歩〜△76歩としてペースをつかんだかに見えたが、増田はこの銀取りを手抜いて▲34銀打!後手は銀得になるが気分は悪い。悩ましい▲22歩には△同金、△69銀と迫るも▲23歩△33金▲22歩成!後手としては、これに対して逃げてもよさそうだが、優勢な側には「と金を取れないようでは」という思考が働く。
最後は後手頓死。うーっ。これだから将棋は。「これは多分不詰みで先手負けだけど優勢な後手は選びにくい順だろう」みたいな思考をしてるっぽいのですよ。そして終盤は実際難しいので間違える。