WCSC25 その5 自戦記(一次予選)

http://merom686.g1.xrea.com/com_shogi.html
shogi686の棋譜は↑に(将棋所で出力したもの)。評価値の符号が反転することがあるのは、USIの仕様に反して独自Ponderの読み筋を送っているため。

なるべく、自分とshogi686の意見のみを書くようにする。よって内容の信頼度は低い。

1回戦 vs.まったりゆうちゃん ●

shogi686は対振りを比較的苦手にしている(薄い玉で戦ってしまうので)。しかし、相手がノーマル三間なら穴熊に組むことが多く、今回はきれいに組んでくれたので満足な序盤だった。

中盤以降、素人目にも有利になったと思ったのだが、そこでまさかの切れ負け。前日のテスト対局時より大きい400msのマージンをとっていたので、想定外だった。しかしルールには「ネットワークによる遅延も消費時間に含まれる」と明記されている。秒読みは切れたらおしまいなのだから、もっと危機感を持つべきだった。マージンは1100msに変更した。

2回戦 vs.なり金将棋 ○

先手で横歩取り。序盤で飛車得となり、そのまま勝つことができた。詰みを読み切ったあと、相手の即指しと短考が続き、Ponder絡みで落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしていた。

いきなりの時間切れ負けで「反則負けをしない」という目標は折られてしまったが、「1勝する」をここで達成できて嬉しかった。

3回戦 vs.大合神クジラちゃん ●

先手四間飛車という珍しい選択をした。この形の3手目で飛車を振る確率は、わずか1/67(定跡部分にバグがなければ)。強敵相手なので、得意戦法の四間飛車になってよかったと思った。

序盤はまずまず。43手目、▲36歩に代えて▲16歩でじっくり指すわけにはいかなかったのかなあ。▲41角からの攻めは仕方なかったと思う。穴熊の金をはがして飛車も変な位置だし、この局面の評価はshogi686には難しい。

クジラちゃんの陣形は見慣れない形だが、素晴らしい広さで飛車も攻防に働いている。こういう陣形のよさを評価できるようになりたいと思った。

4回戦 vs.scherzo ○

あの相掛かり(?)で有名なscherzoだが、今回はじっくりとした相矢倉。これも好みの戦型だが、桂馬を早く跳ねてしまう懸念があった。そして、跳ねてしまった。shogi686は△85桂に▲86銀を読んでいるのだが、サッと▲88銀と引かれ桂を取られてしまう。大差ではないが、確実に形勢を損ねたと思った。

更に銀桂交換となるも、▲48銀と引いて飛車の横利きがなくなった瞬間を捉えて△87桂と露骨に攻め込み、何とか攻め潰すことができた。僕はよく「shogi686は終盤が弱い」と言っているが、こういう「ごちゃごちゃした詰み」に関してはとっくに開発者を超えている。

精神が持たないので、秒読みマージンを2500msにした(やはり最初に切れ負けた影響は大きい)。最後までこの設定で指した。

5回戦 vs.こまあそび ○

こまあそびは変わった形の振り飛車。18手目と19手目に打った角はどちらが働くか、という勝負。僕は22手目△89角成を指摘したが、▲78銀ですぐに取られてしまうとのこと(そりゃそうだ)(人間も弱ければ馬捕獲される)。わりとshogi686にオシャレな手順が出た将棋だったと思う。秒読みに入っての初勝利。

6回戦 vs.JPBR-0 ○

3/46の確率を引き当てて後手横歩を指向。しかしJPBR-0は独特の指し回しで定跡を外れる。そして、竜と馬を作り合い、桂と銀を取り合うという華々しい展開に。▲77角と合わせる手には△89馬と交換を拒否し、そこから△67馬と迫る。
ここでは▲58金右と右辺を広くして受ける手も有力だと思った。ただ、本譜の▲68歩も堅い手でどう攻めていいかよくわからない。人間にとっても形勢判断の難しい将棋だと思った。双方の玉の耐久力がよくわからず、しかも玉形自体は全然違う。

馬が逃げて、先手の攻めるターン。▲33香△32銀打▲同香成△同銀に▲33銀と打つのがキツい攻め。そして▲45桂が嫌らしい。shogi686は△77桂と打ったが、▲同馬と手番を奪われ▲53桂不成を許してしまった。

評価値は双方互角から先手有利で揺れ動いており、熱戦になった。▲53桂不成の時点で先手は桂を持っていて、2回目の▲53桂が来たときは「桂持ってんのかよ!」と叫んだ。△31角の受けはいかにもつらそうだが、▲42銀〜▲61桂成となり、銀をもらったうえに遠くの金を取ってくれて、ありがたい展開だと思った。それまで不利だと思っていたが、チャンスが出てきたと思った。

ただ、45手目▲23金もキツそうな手。ここからは難しくて対局中は何もわからなかった。△77桂〜△99飛はよさそうな手順だが、▲88銀で捕獲されてしまう。そこで△69桂成の成り捨て。何かと思ったら、角が利いているのでどう応じても銀が取れる。
最後は即詰みで勝った。

7回戦 vs.山田将棋 ○

勝てば予選通過。山田将棋は安定した将棋を指す印象があったので、勝っても負けても納得できる相手だと思った。戦型は対四間飛車

四間飛車に対して、普通は▲57銀左から急戦にするのだが、こちらが態度を明かさないうちに△54銀とされたので、▲66歩と止めて持久戦を目指したようだ。本譜の展開も玉は全然堅くないけど、おかしな急戦を仕掛けるよりはいい。
36手目△66歩では、「この歩を打たれても十分だと思っているからこの変化を選んだのだろう」と思った。自分ではやりたくない形だが、嫌らしい形でも大丈夫だと言っているのだから大丈夫なのかなあ、とも思った。

△54金▲66歩となった局面では「角は取らせても戦えるってことか」と思ったが、次の△同角にはぶったまげた。一時的に角損で、そんな攻めをshogi686がしているのを見たことがなかった。そこからも読みの入った手が続き、寄せ切ってしまった。