WCSC25 その6 自戦記(二次予選)

結果は、一次予選5勝2敗5位通過、二次予選3勝6敗20位。追い込みで残りのStockfish探索を実装し、学習の探索深さを2に増やして時間をかけたことで、思ったより強くなっていたのかもしれない。

1回戦 vs.激指 ●

激指の一手損角換わりに棒銀で対抗。成否はともかく、こうして棒銀をしてくれるのは嬉しい。好位置の△54角から飛車を押さえられてしまうが、それでもshogi686は自分が有利だと思っている。
大きな差が付いたと思ったのは、▲24角△62玉のところ。55手目まで進んでみると、馬も大きいとはいえ玉の安全度が違いすぎる。
最後の見せ場は59手目▲74桂の王手飛車。しかし、その前の△86歩が実は詰めろなので、玉を逃げられたときに飛車が取れないのだ。予定変更で▲86歩と戻したものの、飛車が突っ込んできてやはり詰む。
二次予選はいきなり強敵と当たるものだが、この将棋は楽しんで観戦できた。激指の棋風が好きになった。通過できる可能性があった一次予選と違って、反則負け以外の心配事がなくなったというのも大きかった。

2回戦 vs.Sunfish ●

相掛かり系の将棋になり、序盤でいきなり2歩損してしまった。しかし、その後Sunfishも最善を尽くしたわけではないようで、後手のshogi686も歩損を回復して長い戦いになった。終盤力の差で最後は圧倒されたものの、途中馬を作り合う難しい持久戦になったことはとても嬉しかった。
終盤攻められてしまったのは弱さが出たということで仕方ないが、例えば88手目の△15歩などに代えて、先手陣を攻める手が本当にないのかは謎だった。変化を2人で話しているのは楽しかったが、自分が棋力不足だったことは否めない。今shogi686で検討してみた限りでは、先手陣が見た目以上に頑健だったという感触である。

3回戦 vs.きのあ将棋 ●

後手番で相矢倉。今回は、成立するタイミングで△85桂を跳ねてくれた。うまく作戦勝ちできたと思ったのだが、そこからのリードの広げ方が危なっかしい。
116手目の△28銀成などは、好きな手だと言ってもらったのだが、やはりここでは格調高すぎた。自陣の危険度を軽視するという弱点を見事に抉られ、113手目▲26金が見えていなかった決め手。▲23歩成△同金▲32金の詰みが非常に受けづらい。
逆転負けは悔しかったけど、何しろ将棋の内容について話すのが楽しいのだ。

4回戦 vs.nozomi ○

nozomiの一手損角換わり。先手は4筋を取り込み、1筋を突き越し、不安は4筋の垂れ歩くらいという満足な序盤。33手目に横歩を取ったのは意外だったが、例えば△33金と飛車を殺しに来れば切って▲43角がある。後手陣は6筋が壁で金も浮いているので、相当弱い形なのだろう。こういう、人間同士の対局ではスルーしてしまうような弱点を見つけてきっちり咎めに行くのがコンピュータの強いところだ。
入玉される危険も少し考えたが(形は入玉できない形だが自らそれを崩すこともあるかもしれない)、駒得を重ねながら押さえきってくれた。
局後、電王トーナメント+αバージョンのnozomiで棋譜解析をしていて、「いいなー」と思った。それによると、やはり先手の攻めは成立していたようだ。

5回戦 vs.おから饅頭 ○

先手で横歩取り。ただし、おから饅頭は定跡形でない。歩を2つも食べて生還できたので、さすがに有利になったと思った。
先手の角と後手の攻めの銀の関係がかなり不安だったが、△65銀の瞬間に▲25桂から捌けてしまった。「技がかかった」という感じで「こんなハイレベルなことができるようになっていたんだなあ」と思った。後手の攻めが先手の壁銀を相手にする形だったのも幸運だった。

6回戦 vs.なのは ●

角換わり後手。なのはは本当に強かった。いいところなく負けた。確か57手目の局面で千田先生が「会心のさばきですね」と言われていた。△27銀成は二枚替えで更に角取りだが、その瞬間に角を切って△同飛▲55角の王手飛車がめちゃくちゃ厳しいのだ。もちろんその先27の成銀が働くことはなかった。スターライトブレイカーが心に突き刺さった。

7回戦 vs.GPS将棋 ●

後手番。GPS将棋が角道を止めて、shogi686はここでも棒銀GPS将棋がここまで3勝しかしていないことで注目され、序盤を少しだけ解説してもらって、しかもそれほど酷い序盤じゃなくて、ラッキーだった。
▲72歩を玉で取りに行った辺りからはGPSのペース。玉が安全なら歩を取り切って優勢かもしれないけど、相当危険だった。ここからは圧敗だが、後手玉が三段目で上を厚くする展開になったので見ていて楽しめた。53手目▲55角に対して、切られて▲61銀があることを見越して△61歩と受けたのも、個人的に気に入っている。

8回戦 vs.山田将棋 ○

再戦はまたしても山田将棋の四間飛車。今の評価関数は四間飛車に対しても持久戦を選ぶことがあるようで、今回は(shogi686としては)きれいな穴熊に組んでくれた。中盤以降は、5筋のと金をものともしない穴熊らしい強い攻めが炸裂した。

9回戦 vs.大合神クジラちゃん ●

居飛車の先手番で角道を止めた。これは将棋クエストを始めたころに多用していた作戦なので、定跡に入っている。△76歩が入ってからはダメにしてしまったようで、残念な将棋だった(40手目くらいまでshogi686は自分がいいと勘違いしていた)。ニコ生では窪田先生が解説されていたので、こっそりエスペラードさんの椅子にお邪魔して観戦させてもらった。