NHK杯、鈴木宮田戦

先手の鈴木が、▲76歩△34歩▲16歩とゴキゲン中飛車を見せると、宮田は△42玉。
ノーマル四間飛車穴熊という戦いになった。
普通の▲66銀型となり、宮田は△94歩と待つ。仮に▲96歩と受ければ、▲95角が消える。
本譜は▲27銀と銀冠を目指したので、浮き駒のできた瞬間に△42銀と引いて松尾流を狙った。
しかし鈴木はそれでも▲55歩と仕掛ける。
そして△同歩とされたタイミングで、▲38金と締まり銀冠を完成させた。
この▲38金に対し、松尾七段は「▲55歩に代えて▲38金△31銀右▲55歩では△同歩と取ってくれない」というような意味の解説をした。
つまり、▲55歩△同歩▲38金に対して仮に△31銀右なら、▲38金△31銀右▲55歩△同歩と同一局面なので、本譜▲55歩が手抜けない以上、▲55歩は▲38金を完全に上回る手となってしまう。
▲55歩△同歩▲38金の手順にはそういう意味があるので、宮田は手を変え、△31銀右ではなく△56歩と突き出した。
(▲55歩と▲38金を逆に書いていたので修正した)
このあと、鈴木の端攻めが炸裂し、金が上ずっても先手玉は堅く、中央が厚い。
「これなら自分も四間飛車穴熊を倒せるんじゃないか」と思ってしまうような内容だった。
やはり慣れ親しんだ四間飛車だと、わかりやすい(わかった気になれる)ので楽しい。