科学は信頼できない

私は静電気が怖い。
家に入るのは、地面の草を触り、ドアノブを爪ではじいてからだ。
鍵でドアノブに触ってもいいが、バチッと光って振動が手に伝わるのが嫌だ。
対策を考えるときに、科学的知識や思考が役に立つが、
正しい方法を知り、それに理解が伴っていても、心から頼れるわけではない。
一度ドアノブをはじいて何も感じなければ、もう静電気の心配はないのだが、
それでも、ドアノブを普通に握ることをためらうことがある。
地面の草を触る方法にしても、うっかり地面に近い場所に触るとバチッと来てしまうのだが、
個人的にその経験が少なく、恐怖を感じないので採用しているにすぎない。
ギリギリの状況では、科学は信頼できない。静電気程度のことでさえ、そうなのだ。