王位戦、挑戦者広瀬が奪取!!

すごい終盤だった。
いつもは、TwitterGPSや手元のFelizをわりと信用して観戦するのだが、
この終盤はもう何が何だか。
いかにもソフトの苦手な形だが、更に自分の目で見てもサッパリ。
後手玉は桂先にいて、寄らなそうで危なそうで。
先手玉は鉄骨だけの穴熊、王手はかけにくいが、一手で寄りそう。
特に、先手から金気がなくなった辺りからは本将棋の感覚じゃない。
広瀬勝ち。広瀬王位!
これで、ついにB級からタイトルが消えた。
やはり、王位リーグを制し羽生に勝って挑戦を決めただけのことはある。
本当に四間飛車穴熊でタイトルを取ってしまうとは。
第1局は先手四間飛車穴熊で圧勝。
第2局は後手四間飛車穴熊だが、深浦の趣向が実って負け。
第3局は先手で居飛車を明示、後手の角交換振り穴に勝つ。
第4局、後手四間飛車穴熊で先手ペースとなり、竜切りから食いつかれて負け。
第5局は先手四間飛車穴熊、一方的に攻められるが、何とか千日手
指し直し局は、二日間戦った直後に、20時を過ぎてからの持ち時間2時間将棋。過酷な条件。
後手四間飛車穴熊から米長玉を上手く攻めて勝利。
第6局、後手四間飛車穴熊で遠慮なしに千日手を選択。
指し直し局でも先手四間飛車穴熊。勝って4勝2敗。王位奪取。
昨日から行われていた第6局は、先手の深浦が駒得でよさそうに見えたが、
堅くなさそうな後手陣に手がかりがないと見たのか、▲46歩〜▲66歩!
これは広瀬にチャンスを与えたのではないかと思って見ていると、
後手の広瀬は一直線に千日手を選択!
その異常に高い穴熊能力を、千日手を奪うためだけに使ったかに見えた。
第5局に先手で千日手にされた借りを、無理矢理返してしまったのではないか。
丁寧に受けてこの対局を勝つことができれば、初タイトルだというのに。
そして指し直し。見事な指し回しで優位に立つ。▲64角成!
だが、そこからよくわからない、難解きわまりない展開に。
先手は寄せに行ってる、そして寄っていない、なのに切れてない。意味不明。
113手目▲73角がいい感触で決まったかと思ったが、△46角も厳しくてむずい。
そして桂頭の玉。どんだけ桂頭の玉。
そういえば広瀬は詰将棋解答選手権で人間部門1位だったりしたな。
 すごい。
 笑った。
素晴らしい戦いをありがとう。

「最近、プロ間では下火になっている戦型で、これだけ連投するのは予定外でしたが、たまにはこういうシリーズがあってもいいかなと思いました。応援してくださった皆様に感謝したいです」

王位戦中継Blog : 終局後インタビュー 広瀬新王位