NHK杯、渡辺・菅井

菅井が後手なので、ゴキゲン中飛車。渡辺は超速、それに対して菅井は△44歩。
渡辺は相居飛車で無類の強さを発揮しているが、対振りではどうか。
まあ、渡辺のゴキゲン対策が見られるわけで、楽しみだ。
今期の王将戦第1局が思い出されるが、渡辺は変態流ではなく▲78玉。
どうも渡辺は対振りで穏やかな手を選ぶ傾向がある。というより踏み込まない。
さて、銀を楽にして▲38飛と引いたところで△56歩とさばきに出る。
後手は2歩損しているが、先手玉が一瞬孤立しているし、馬も作れる。
お互い陣形を整えて、△32飛!完全に振り飛車ペースである。
局後渡辺は、飛先交換に△22歩と低く受けられて困ったと言っていた。
▲36歩と謝ったところを△35歩とこじ開けられて困っているようでは、
相当困っているのだろうと思った。
結局、渡辺はここで▲68金右と寄せた。「はあ、もうどうにもできんわ」という感じ。
△54馬に、▲75歩。角と歩でコビンを狙って、これは本当に渡辺らしい手。
結果的に、菅井はここで△55歩と返し、おかしくしてしまった。
感想戦の時間は長かったが、△55歩からは数手簡単に並べられただけだった。
先手は角を切ってから▲53金の打ち込み。▲32歩成も見せてつながるつながる。
精算してからの▲31角も厳しく、▲35歩などという手が間に合ってくる始末。
こうなってみると、▲88玉と深く囲っていること、▲68金右が入っていること、
すべてがこのためだったのかと思えてくる。
△47とと寄せるためとはいえ、▲67銀と引かせて、先手陣は目眩がする堅さである。
△57角成と切るに決まってるのに、なぜ▲25飛と当てるのかと思ったが、
△57角成には▲同金じゃなくて▲52歩!
言われてみれば、と金を活用させる▲57同金△同とは論外だし、
△57角成と歩を取らせることで、と金作りが狙えるようになるのだ。
以下は、▲51歩成△71金▲52とが厳しく、後手投了。
先手は角を取れる形なので、次に▲71飛成からの詰めろがかかる。
解説を聞いてみたら見た目以上の大差だった。いや見た目も大差だけど。
感想戦。端が入らないという話が面白かった。
居飛車が2歩持って端攻めや▲97角があり、振り飛車は銀を殺す時間が欲しい。
美濃に対して居飛車から端(▲96歩)が入らないという例だ。
時間があるので、超速に対する△44歩の話題になったが、どうも口が重いw
渡辺が当たり障りのないことをしゃべっているだけで、菅井は無口だ。