竜王戦第4局

2012年11月20日〜11月21日 七番勝負 第4局 渡辺明竜王 対 丸山忠久九段|第25期竜王戦
いつもの一手損角換わり。竜王戦第2局と似た進行だったが、渡辺のほうから新手を出した。▲15銀と打つ。2筋を交換する狙い。対して、丸山は30分程度の考慮で角を打った。これはやや意外。想定の範囲内という感じの、時間の使い方だ。
丸山が△22銀と引いた手がよかったらしく、渡辺は息苦しい戦いを余儀なくされる。しかし、若干苦しいとされ、自由度も低い中で、渡辺は強い指し手を続けた。それに対して全く隙を見せない丸山の指し回しも見事だった。渡辺と言えば玉を固めるイメージだが、今回のような堅くない陣形での戦いも絶品だと思う。
終盤は、「将棋とはこんなに様々な手があるのか」「終盤とはこんなにも豊かな構造をしているのか」と思わせる名勝負だった。もっとも、それを感じることができたのは解説のお陰だけど。棋譜を見返して、手数が短いことに驚いた。