アトピーの一例

「掻くことは悪だから、掻かないのは辛いけど掻かないように頑張る」ならいいけど、
実際は「掻くことは善、それでも掻いてはいけない」と感じている。
これは精神的にきつい。頑張れない。
実際問題掻かずにはいられない。自分の家なら床にカサブタを落とすし、
人前であっても完全にゼロというわけにはいかない。
「タバコを吸う人はマナーが悪くなる」ということは、あると思う。
「自分はこんな辛い状況にある」という正義をかざし、それを元に「正しい」判断をする。
しかし、周りから見たら、ただのマナーの悪い人である。
本人は、マナーが悪い人と思われないように行動しているつもりなのだ。
一回、本気で掻かないようにしたことがあった。
寝ている間に掻いていたときは悔しい。眠りの浅いときに掻いて、それを覚えているときも悔しい。布団の中で普通に掻いてしまうこともある。起きているときでさえ掻く。
結局、一日に1〜2回くらいは掻いてしまう。
それでも、数日我慢できた場所はカサブタがなくなりきれいになるのだが、
皮膚は薄く、炎症を起こして赤い。
これは簡単に治るものではなく(ここまで治すのでさえめちゃくちゃ大変なのに)、
掻かずにいても、治るどころか、ジクジクがふつふつと湧き出てくるかのようだ。
結局、「掻かないで治す」というのは、人間には不可能であるらしい。
自分でも、「掻かない」というだけのことが「不可能」だなんて信じられなかった。
このエントリを書いたきっかけは、これを読んで、このSSが薬物使用の抑止力になるとは思えなかったこと(SS自体の評価はおいておくとして)。
今の自分は「掻かないで治す」ことの難しさを知っているから、こういうのを「一回でやめる」というのが強靭な意志を持つ人でも不可能ということが「ありえる」と思える。
以前は「一回でやめる」が全くの不可能というのは言いすぎだと思っていた。
以上は、正しい理解では絶対にないだろうけど、人間は理性じゃ動けないということを言いたかった。自分にとって「掻く」というのは、万有引力で物体が引き合うくらい自然なことだ。