料理をまずく作る方法の一例

なぜか、今日は冒険してみたくなった。

ホットヨーグルト

いつも食べているプレーンヨーグルトを、レンジで温めてみた。
レンジにかけてしばらくすると、パンパンと噴火を始めたので取り出した。
驚いたことに、完全に液体という見た目になっている。
よく見ると、乳清とそれ以外に分離しているようだ。
茶碗蒸しを軽くかき混ぜたら液体が多くなってしまった、そんな感じ。
固形部分は小さく散らばってしまったが、大きい部分に関してはいい食感。
柔らかいフルフルした豆腐のような感じでなめらかだ。
ただし、味はすっぱいヨーグルト。小さい固形部はざらつくものもある。
全体としては、おいしいわけではないが、食べるのが嫌ということは全くなかった。

それを半分以上食べた後、チョコレートを入れてみることにした。
チョコレートは低温での食感が悪いため、冷たいヨーグルトと合わせられなかったのだ。
分離ヨーグルトに小さいチョコレートを放り込み、更に電子レンジ。
これが恐ろしくまずかった。
全体にうすら甘く、チョコレートの香りはかすかにしかしない。
2回の電子レンジで固形部分はザラザラになり、表面には小さい油が浮く。
味も舌触りも見た目も悪い。
各要素、極端に悪いことはないのだが、総合すると、もう絶対食べたくない。
申し訳ないけどこれは捨てた。

濃縮ミルク

ついでなので、余っていた牛乳を煮詰めるということも試した。
デイリーポータルZ:煮詰まったらどうなるを見て、やってみたいと思っていた。
400mlくらいを鍋に入れ、とりあえず沸騰させる。
そこから弱〜中火で、常にかき混ぜながら煮詰めていく。
火が強いと小さい泡が押し上げてくるのだが、中央は水気のない膜となり、
真ん中から沈み込んでいく。
開始20分くらいは特に変化を感じないが、既に水分はかなり飛んでいたはずだ。
そこから急激に水気がなくなっていく。
少し色が付いてきて、鍋の縁だけでなく底にも固形物を観測する。
タンパク質の膜はこの時点ですくって取り除いた。
ホットケーキの生地のような見た目になって更に煮詰めたが、これはやりすぎだった。
固形のものは鍋の底からいくらでも採れるし、液体部分も冷えれば固くなるのだ。

結果、味はともかくとして、致命的に舌触りが悪くなってしまった。
固い部分もトロトロした部分もあるが、混ざってしまっている。
味は、コーヒーに入れるクリープとかに似ている。濃厚で胃に重いが、味は薄い。
パンに付ければ悪くないが、悪くないだけで味がなく、付ける意味は感じられない。

塩を添加すると!これはおいしくなった。
普通のプロセスチーズではなく、レアチーズケーキに近い。パンに合う。
砂糖を加えるのは、牛乳の甘みを強めるくらいの効果で、特にメリットがない。
全部食べたとしても、牛乳をたくさん飲んだのと同じことのはずなのだが、
とてもそうは思えず、お腹が不安なのでまだ半分以上残っている。

まとめ

砂糖と塩を間違えたのでもない限り、料理をまずく作ることは想像できないと思っていた。
おいしく、完成度の高い料理を作ることは難しいが、そこそこのものは誰でも作れる。

今回、変なものを作ったとはいえ、思いがけずまずい、食べたくないものができてしまった。
ポイントは食感、舌触りだったように思う。
今にして思えば、どうせゲテモノだからと、丁寧さを欠いていた。
まずいものというのは、強烈にまずいのではない。
しみじみと、総合芸術として迫ってくる、嫌な感覚なのだ。