竜王戦七番勝負第2局1日目

七番勝負が始まる前から注目していた今日の2手目。
期待を裏切らず、後手番の渡辺竜王は△84歩!
「あなたが角換わりを選択しても対策はありますよ」と言っている。
BS2の中継で、対局開始後に羽生名人と森下九段が何かを見て笑っていたが、
中継ブログを見ると、空調のトラブルがあったようだ。
解説の森内九段は、何だか行方八段みたいな瞳と髪。
さて、▲76歩△84歩から、羽生名人は▲68銀として矢倉を選択。
む、最近△84歩が減っているのは、後手でみんな角換わりをやりたがらないから。
それなのに、角換わりを選ばなかった。
これは、まずは竜王の研究から逃げて勝ちに行ったとも思える。
あるいは、「私の研究してきた将棋を先にやりましょう」という揺さぶりか。
しばらくして、羽生名人は、先手が6連敗しているという局面へ進めた。
不利そうな形で新構想を披露するというのは、前局とも似ている。
ギリギリ勝っていると思うギリギリの研究手を最強の相手にぶつけたい、
そう思って(渡辺竜王を認めて)竜王戦に向けて研究を温めておく、
そういう面が、あの羽生名人にもあるのだろうか。
はたまた、2年前のパリでの竜王戦のように、
「渡辺の小賢しい勝ち方とは違う、大局観の差を見せつけて粉砕してやる」
とか思ってこういう作戦を選んだのだろうか。
いずれにしても、羽生名人は、渡辺竜王を相当に意識しているのは間違いない。
インタビューでも、(羽生名人にしては珍しく)それを隠すので精一杯なんじゃないか。
現在この二人は、「どちらが勝ってもおかしくない」状況にあると思う。
実力に差はあるだろうが、タイプが違うので、どちらが勝ってもおかしくない。
だから、この二人の化学反応が面白い。