A級順位戦最終局(3/2)

渡辺竜王の名人挑戦は見てみたかったが、後手角換わりで負け。
山九段を相手にこの戦型ということで、勝ちにくい気はしていた。
朝、対局前。あの張り詰めた空気の中、渡辺竜王だけは笑みを見せていた。
森内九段が勝ち、名人挑戦を決めた。
終局後、しぼりかすのような顔で、対局で疲れていることがうかがえた。
あそこで挑戦決定のインタビューに応じるのは大変だろうと思う。
ゴキゲン中飛車の久保二冠は、負けはしたが、素晴らしい粘りだった。
負けの終盤こんなに手があるのかと、とても興味深く見ていた。
糞粘りアーティストがちょっと好きになった。
藤井九段は、負ければ即降級という状況で、いつもの角交換四間飛車
先手の高橋九段が9筋と7筋の位を取り、実にのびのびしている。
後手は低く構えて堅いので、自分が先手を持って勝ちやすいとは思わないが、
実際に先手を持っているのは高橋九段。後手辛(つら)いと思った。
終局のとき、後手の桂桂角馬が全く働かない状態で右辺に残っていた。
高橋九段の完勝。
来年は藤井九段の解説が見られるかも、なんて冗談ぽく考えていたが、
本当にそうなってしまった。本当に降級するときがあるんだね。
解説に佐藤九段がいるというのが、今年だけの贅沢。