金環日食!

せめて雲が薄ければと思っていたが、幸運にも薄くなった。
一時は、肉眼で欠けているのが見えるくらい、ちょうどいい雲がかかった。
曇っているので、残念ながらピンホールでは観測できない。ぼやけてしまう。
と言って、ちゃんと遮光すると暗くて見えない。
虫めがねを使った。
焦点距離25cmの虫めがねなら、2mmちょっとの大きさで見えるはず。
この方法は(ものを燃やせるくらいだから)まぶしすぎて使えないと思っていたが、
いい具合に曇っていた。
欠けた太陽と周囲の雲が、きれいに投影される。
これは本当にきれいだった。周りの雲も映りながら、太陽もくっきり欠けている。
金環日食が近づいてくると、雲がより薄くなり、ピンホールが使える瞬間もあった。
こうなると、虫めがねを使うのは危険すぎる。
今にして思えば、小さな丸い穴を開けた厚紙を準備しておけばよかった。
それを虫めがねに装着すれば、ぼけずに明るいピンホールになる。
実際には、それを準備する時間がなかったので、
手や紙で虫めがねを覆うなどして代用した。
本当はレンズの中央を使ったほうがきれいなのだろうけど、仕方なく端っこ。
金環になったときは、雲が薄く均質になり、きれいな2mmのリングが見えた。
今回は、薄曇りという、かなり珍しい条件だった。
そういう特殊条件向けの、焦点距離が1mくらいある凸レンズと、
雲の厚さに応じて色々なサイズの丸い穴が開いた厚紙が欲しかった。
わかっていたはずなんだけど、太陽は思ったよりも明るかった。強烈。
普段、太陽が目に入ることはあっても、凝視したいとは思わないもんね。
金環日食のときだけは、外が少し暗くなったように感じた。
虫めがねを使った方法は、以前から考えていたが、
薄曇りによって思いがけず実現し、思っていたよりもきれいだった。
そして、きれいさでは三日月状の太陽もいいのだが、リング状になると迫力が違う。
これは少し驚いた。
自分があまりにレアな体験をしたことに、少し怖くなる。
日食なんか見なくても、生活には全く支障ないし、他にも面白いことはあるのだが。