名人戦第5局

今回も先手が勝った。これで今期名人戦、先手5連勝。
森内が先手。羽生は横歩取りを選んだ。
先に▲52玉として相手の出方を見る形。後出しジャンケンは、序盤の面白さの一つ。
後手が5筋を死守する流れで、△44金から不安定ながらも厚く構える。
そこを攻める▲46歩に、素直に応じない△36歩で激しい戦いに。
先手は飛車を取らせて角で攻める。
その角で飛車を奪って再び▲71馬と、44の金に狙いをつけた手がどの程度か。
羽生は△49と。これは詰めろではない。「プロが感動する手」と先崎。
代えて△76桂なら、勝敗はともかく、長い戦いにはできた。
結果的に、森内はここから王手の連続で羽生玉に必死をかけてしまった。
△49とは、Bonanzaの推奨手でもあった。
ここで森内は▲44馬と切って▲41飛と下ろす。
△33玉も難しいと言われていたが、羽生は短考で△35玉。
ところが、ここからは変化の余地なく必死。
Bonanzaとかだと、まず必死自体を読むのに少し時間がかかり、
▲24歩に△22香などとしつこく埋めつつ王手ラッシュを絡めると全く読めない。
△35玉は明確に後手負けで、ここから数手を短時間で指し進め、
最後の▲32竜で、固まってしまった。明らかに様子がおかしかった。
先崎は、▲32竜をうっかりしていたのだろうと言っていた。
しかし、△35玉を指した時点で、負けと思っていなかったの?うーん。むー。
とりあえずコンピュータの終盤用のよい棋譜が採れたと思ったけど、
羽生の様子がおかしいのと、それを見た先崎の解説で持ってかれた。