NHK杯、橋本・羽生

先手の橋本は角交換四間。26手目まで、先後ほとんど同じ形になった。
違いは、先手の美濃に対し、後手は矢倉。ここに3手の違いが現われている。
先手は、▲22角成の角交換と、▲88飛の振り直しで2手損している。
加えて、対抗形での同型だから、▲68飛と四間飛車にした一手まで手損になっている。
△54歩のタイミング。
早いと後手が歩切れになるので△75歩を▲同歩と取られてしまう。
遅いと先手の歩が切れているので▲74歩(手抜けばと金が痛い)が入り、▲64銀と出られる。
なので、ちょうど歩がぶつかったタイミングで△54歩と打ち、銀を追った。
羽生が先に時間を使い切る図は珍しい。
困っているようでも最後は後手の堅さが生きる展開に持ち込むんだろと思ってたけど。
△56歩とかすごい。王手飛車のラインを作り、と金の種にもなっている。
かめはめ波の一発も出さずに勝ってしまう、じんわりとした強さ。
羽生が勝ったけど、最後は橋本の粘りもよかった。