ペース配分

テレビで駅伝なんかを見ていると、ゴール前のかけ引きがすごい。スパートをかけるタイミングを、相手を見ながら決めている。
タイムを競うのだから、相手を見るのは本来おかしい。自分のベストタイムを出すのが、順位の意味でも最高の結果になるはずだ。だが、トップクラスのチームがそうしていないということは、何かあるのだ。
ここからは素人の推測だけど、出せる最高のタイムを狙うのが相当リスキーなのだと思う。格下相手に無理をすれば、安全勝ちできるところをトラブルで負けてしまうかもしれない。当日の選手がどの程度のタイムを狙えるかというのも、案外わからないのかもしれない。そもそも、毎回最高の力を出すのは選手に負担が大きすぎる。
ところで、相手が人間ではなく自動車だったらどうか?人間と同じくらいのタイムを出す自動車。人間とはペース配分が違う。中盤にスパートをかけるかもしれないし、終盤に失速するかもしれない。これは厄介だ。
人間相手で自分の実力が上なら、ぴったり並走しておけばまず負けない。早くスパートされたら必ず追いつけるし、こちらのタイミングでスパートをかければ相手は追いつけない。しかし、自分よりタイムが劣る自動車が相手の場合、中盤まで「ずいぶん遅いペースだな」と思って並走していたら、終盤のスパートがものすごく長続きしてついていけなかった、なんてことが起こりうる。
これはつまり電王戦について言いたいことがあってこんなことを書いたんだけど、相手がコンピュータのときこそ、常に自分のベストの指し手を選ぶことが大事だと思う。