将棋電王戦FINALまとめ

将棋電王戦FINAL | ニコニコ動画

電王戦FINALの意義

色々なことが起こり、そのたびに感情的な発言をしてしまった。川上会長の思惑通りという気がして悔しいが、これだけ人々の感情を揺さぶったのだから、電王戦を開催する意味があったと思う。
コンピュータ将棋がより強くなることへも貢献していると思う。

勝敗予想

コンピュータの4勝1敗と予想した。結果は2勝3敗だった。第3回電王戦と同じルールだったため、コンピュータの有利は変わらないと思っていたが、去年の参加棋士はコンピュータ将棋の知識が十分とは言えず、また勝率を追求しようという空気も今年ほどではなかった。
今のコンピュータ将棋には、プロレベルで戦うには弱点が多いことがわかった。事前貸し出し・変更不可というルールはコンピュータにとって厳しいものであることがわかった(同じルールの第3回電王戦ではよくわからなかった)。

事前貸し出しについて

出場者が勝ちを追求するのは自然なことで、今回は5人のプロ棋士が「事前研究」に膨大な時間を費すこととなった。将棋ファンとしては、プロ棋士の貴重な時間が棋理の追究ではなく将棋ソフトの弱点を探す不毛な作業に使われるのは嫌だった。

各局概説

▲斎藤五段△Apery

事前研究もあり斎藤五段が序盤でリードを奪う。強い指し手が続き、そのまま危なげない内容で勝ち切った。Aperyは合法手がなくなるまで指して投了した。

▲Selene△永瀬六段

Seleneが右玉で力を発揮し有利になったが、終盤で永瀬六段が逆転。飛角歩の不成でSeleneがバグることを知っていて、自分が勝勢の局面でその角不成を指すという鬼のような勝ち方だった。

▲稲葉七段△やねうら王

開門定跡(竜を作らせて捕獲する)は実行されず。この持ち時間と今回の展開では難しかったようだ。稲葉七段は積極的に戦いを起こしたものの、やねうら王が力を見せた。

▲ponanza△村山七段

村山七段が相横歩取りに誘導するが、▲77歩〜▲36飛で事前研究を外れた。▲56飛△42銀からはponanzaペースで、リードを広げていった。村山七段も食い下がるが、先手のponanzaが素晴らしい指し回しだった。

▲阿久津八段△AWAKE

阿久津八段は山口システムを敢行。後手が角を打ってこなくても十分な態勢なので対コンピュータの作戦としては優秀。AWAKEが△28角を打ち21手目▲16香となったところで開発者の巨瀬さんが投了した。