NHK杯、羽生・渡辺

まさに決勝というカード。羽生が先手となり、矢倉。
この矢倉は見覚えがある。特に、先に▲15香と捨てる手。
2010年10月26・27日 第23期竜王戦 七番勝負第2局
これだ!と思っていたら、え、去年の準決勝でもそうだったの。
NHK囲碁と将棋 -NHK杯テレビ将棋トーナメント 棋譜再生-
こちらは忘れていた。だけどこのブログには書いてあった
渡辺はあえて1段目に飛車を下ろす(矢倉に対しては通常2段目の飛車が有効)。
それに対する羽生の▲48銀が、いかにも羽生という手。
こういう手は、佐藤康光がやれば、「読みが入ってる」と感じるのだろうが、
羽生がやると、空間を掌握しているというか、独特の大局観を感じさせる。
解説の森内は、「うまくいけば(後手が)付いていけそう」。羽生ペースらしい。
渡辺も、△86歩から△85歩など、渡辺らしいちょっかいの出し方をしているが、
▲39香から、先手だけ攻めが続く。
後手は、下段からの攻めのサポートがないのが痛い。痛すぎる。
羽生は小刻みに時間を使って優勢を維持。
羽生が駒を渡して厳しい詰めろをかけたとき、渡辺は1分残している。
時間の使い方が二人ともばっちり決まっていて、格の違いを感じた。
羽生が勝って10回目の優勝。あー、これは完全に最優秀棋士賞持ってかれたな。
勝率8割で王座を奪取したときは、今年こそ渡辺と思っていたが、
やはり羽生は別格。渡辺はその域にない。羽生の安定感がハンパない。