王位戦挑戦者決定戦、渡辺・藤井(5/30)その1

紅組優勝の渡辺、そして白組優勝は藤井。
どちらかが、羽生王位との七番勝負を戦うことになる。
藤井が後手となった。将棋において、先手か後手かというのは大きな違いだ。
勝率の違いももちろんあるが、戦型選択に影響が大きい。
藤井は△44歩と角道を止めた!
これは、普通に考えれば矢倉かノーマル振り飛車
しかし、今の藤井が指していると考えれば、藤井システムが臭う。
次の手は、▲25歩か▲48銀を渡辺が選ぶことになる。
▲25歩なら後手はノーマル振り飛車になるが、向かい飛車にする権利を得る。
▲48銀だと、△42銀から飛車先を突かない矢倉にすることができる。
通常は、飛車先不突矢倉が嫌なので、先手は▲25歩を決める。
ただし、振り飛車党が相手なら、振り飛車にされたとき少し得な▲48銀が多い。
以前の藤井は、振り飛車党なので当然相手は▲48銀としてきた。
が、藤井システムがファーム落ちして、矢倉を指すようになり、
相手の居飛車党が藤井の矢倉を避けて▲25歩を決めてくれるようになったのだ。
振り飛車党が向かい飛車を指すための、藤井の見事な作戦だった。
さて!今回、渡辺が選択した手はというと、▲48銀であった。
藤井は△42飛。駆け引きというより、当然の呼吸のように感じた。
挑決の大舞台、竜王渡辺を相手に、後手番藤井システムである。
―残りは風呂入ってきてから書く。