2012年10月3日 五番勝負 第4局 渡辺明王座 対 羽生善治三冠|第60期王座戦
指し直しで後手となった渡辺は△84歩だが、羽生は矢倉を選択。
羽生の先手矢倉は恐ろしく強い。
▲77金となった形が堅すぎた。
▲13歩成に逃げるしかないようでは辛(つら)すぎた。
△88同馬となった場所へ後手玉が逃げ込み、その耐久度が謎で面白かった。
▲66桂と打った手が素晴らしかった。△66桂も消して攻防手。
▲33金〜▲34金と、2手かけて2枚の銀を取る羽生。変態としか言いようがない。
▲32金と打ったその金は、▲63金となって角と交換されるまでになった。
敗勢になってからの渡辺の食い付きが凄まじい。
目を覆うような駒損をしながら食らい付く様は、命を燃やしているかのよう。
しかし、相手の力はあまりにも強大だった。
羽生は19期連続だった王座を渡辺に奪われたが、即座に挑戦・奪取。
この結果は、あまり意外ではない。最近の羽生は本当に強い。
一時期、もう本気の渡辺には勝てないのではないか、などと思ったこともあったが、
そういう空気は完全に消えた。