NHK杯、豊島・佐藤康光

豊島・佐藤という好カード。解説は谷川という豪華な回。佐藤は、迷路を彷徨うような将棋を指したいと言っていた。
後手の佐藤がダイレクト向かい飛車。2006年度NHK杯決勝が思い出される。記憶では佐藤が後手だったけど、違った(笑)。記憶は簡単に改竄される。16手目に森内が角を取って、解説の島が「ここを突かせたほうが得だと見ているんですね」と感心するように言っていた記憶もある。
今回の将棋は、豊島が角をなかなか取らない。陣形がだいぶ整ってきたところで佐藤が催促のような感じで角の逃げ道を作り、そこで先手豊島が角を取った。角を取らずに、その突いた歩を取ったらどうだったんだろう。
後手の陣形はバラバラで酷いが、自分だけ金を手持ちにしている。これで戦えるというのがすごい。佐藤の挑戦的な序盤と、豪腕が炸裂する中終盤は素晴らしい。
一手の価値が高い。いい終盤だ。豊島が▲73歩の王手を利かした場面では、「実戦的だなあ」と思った。ただ、こういう言い方はどうなのかと少し前から思っている。豊島がこの手を選んだのは、盤上の最善手を追求した結果だろうから。
豊島が勝った。隙のなさを見せつける形となった。これは勝率高いわけだ。
将棋フォーカスの鈴木講座は最終回だった。「私の講座は振り飛車必勝になる」とか言ってて、「自覚してたんだw」と思った。