普通

まとめよう、あつまろう - Togetter
これを読んで思い出したことがある。
登場人物は、私とAくんとBさん。学力は、Aくん > 私 >> Bさん。
Aくんと私はあまり親交がないのだが、たまたま一緒にBさんへ物理を教えていた。
気体定数とかが出てくる辺りの話だった。
そこで驚いたのが、Aくんが私と同等以上のちゃんとした理解をしていること。
私が、教科書に出ていないような、分子のミクロな動きからの説明をしたとき、
Aくんは当然のようについてきた。
私は数学とか物理とか大好きで、理解できない公式を暗記することに耐えられず、
何でも時間をかけて考えて、理解する興奮を楽しむようなタイプだった。
それに対し、Aくんはあまり物理が好きなようには見えない。
それでもテストの点が高いのは、私の10倍くらい頭がいいからだろうと思っていた。
しかし、事実はそうではなかった。
そもそも、10倍も頭のいいやつが、そんなそこらにいるわけがない。
単に、私の2倍くらいいい頭で物理を勉強して理解していたというだけのことだった。
私は、数学や物理を自分と同等かそれ以上に理解している人なら、
その興奮のとりこになって科学大好き人間になるに決まっていると、
そう思い込んでいた。
しかし、事実はそうではなかった。Aくんは興奮しなかった。
今にして思うと、Aくんの教え方は私よりずっとずっと上手かった。
私以上に理解が深いというのもあるが、何より普通の人の感覚を理解していた。
私も、何とかBさんの立場に立ってわかりやすい説明をと考えたのだが、
何を言っても、相手が理解できることを言っても、いい顔をしてもらえなかった。
(数学とかで)自分よりも先のほうまで到達している人が、
「是が非でも更にその先に進みたい」と思わないことがある、
というのを知って、とてもびっくりした。