桐乃の立ち位置

6話は麻奈実の回だったので見た。
OPの、歌詞が「君の横顔」のところの桐乃が気になる表現だったが、
7話OPでも、その部分は変わっていなかった(6話のままだった)。
6話自体は、骨だけの鮭缶みたいなものだと思った。
麻奈実は好きなキャラだけど、それだけで30分持たせるのはきつい。
作画も、1〜3話のすさまじいクオリティから比べるとやや落ちる。
さて、6話の内容と7話のOPを見て、この作品に対する認識が変わった。
今までは、「京介に感情移入して桐乃がかわいい」という作品だと思っていたが、
「桐乃に感情移入して京介に思いが届かない」という捉え方が正しいと感じた。
よくあるラノベと同様に、京介の周りには女の子がたくさんいる。
しかし、京介自身は、その立場に応じた普通の接し方をしているに過ぎない。
桐乃のことは妹だからかわいいだろうし、大事にもするだろう。
麻奈実は幼なじみだから、恋とまでは行かなくても、特別な思いがあるだろう。
黒猫や沙織とも、妹の友人というつながりで、色々と話をしている。
京介が将来的にこの中の誰かと付き合うことがあるかもしれない。ないかもしれない。
どちらにしても、その相手が桐乃でないことは確実だ。
京介はもちろん、桐乃も(京介大好きとはいえ)そういう趣味はないだろう。
桐乃は現状他の男性に恋をしている様子もないので、
今の桐乃の視点からは、「いつか京介を誰かに取られるかもしれない不安」しか見えない。
結果、あれだけの容姿と才覚を持っていても、お兄ちゃんとラブラブになれない、
その寂しさばかりが目立つことになってしまう。
アニメを見る限り、桐乃が世界で一番信頼しているのが京介だ。
他のアニメで言うと、ハヤテとナギの関係に近い。
桐乃の日常を見ると、表面上は兄を毛嫌いしているが、
実質的には京介の腕の中で安心しきって寝転がってる感じだろう。
この作品は、主人公の男がヒロインに片思いしているのと同じ構造をしている。
主人公の男は桐乃で、ヒロインは京介。
そして、京介は、桐乃をヒロインとした主人公にはなり得ない。
例えば「ハルヒ」だったら、キョンが主人公でハルヒがヒロインと捉えることもできる。
ちょっと一方的な世界観で桐乃がかわいそうとも思うが、
そういう作品自体は悪くないと思うし、わりと好感が持てる。