NHK杯、杉本・菅井

杉本は最近居飛車も指す。本格派で重厚を好む。
菅井のゴキゲン中飛車に、杉本は丸山ワクチン
菅井は馬を作らせる順をノータイムで指す。研究があるということだ。
対して杉本は時間を使う。結局馬は作らず、陣形の差を主張にした。
解説は阿部八段。明らかに、菅井より杉本の棋風が好きみたいだw
軽く突き捨てて仕掛ける菅井に、突き捨てを逆用して▲64歩と伸ばす杉本。
▲63角と打ち込むような筋を検討する解説。
△62歩と受けるわけにもいかないし、逆に▲62歩とされたら痛いよねという話で、
阿部が矢内と「「ねー」」しててかわいかった。
菅井に「筋の悪い手」とか言う失礼な阿部解説が最高だ。
杉本は2筋に歩を受けて屈服し、6筋に飛車を回って駒損でも急所を攻めていく。
端も絡めた挟撃で、後手玉はとてつもなく狭い場所に押し込められてしまった。
ただ、後手玉は瞬間的に堅いとも言える。先手は駒損で、けっして威張れない形。
先手はこの頼りない囲いから、と金を作って攻める。後手玉はZだ。これは怖い。
△66桂に、更にと金を入って後手は受けなし、△78桂成から先手玉が詰むかの勝負。
厳密には杉本がよさそうな局面から、菅井が強さを見せてあやしくなっていた。
自分でも先手杉本の形が好きだが、これ実戦的には相当勝ちにくいと思った。
ただ、杉本は毎回30秒ギリギリまで考えていて、まだわからないと思った。
菅井の指し手は、この終盤に来ても特徴的だった。
序盤の研究手をノータイムで指すのはわかるが、終盤でもこの一手ならノータイムだ。
読み切っているならノータイムもわかるが、そうじゃないのにノータイム。
この手以外は負けと読み切れば、先の展開を読み切れていなくてもノータイム。
しかも自信にあふれた手つき。これは、相手はたまらないと思った。
ここ、杉本も菅井も読み切れないまま王手が長手数続いている。
中盤も面白かったけど、これはどうしたって最後の詰む詰まないが印象に残ってしまう。
これだけドキドキハラハラするのは、テレビでは将棋くらいやで。
詰まなかった。対局の流れから、杉本を応援していたので嬉しかった。
この2人だと、特にどちらかのファンというわけではなかったけど。
どちらかというと阿部ファンかな(笑)。