第3回電王戦、存在しましたね

第3回の開催が決まった。とりあえずホッとしている。さすがに開催されない可能性は低いと思っていたが、延期されたり局数が減ったりはあると思っていた。

リンク集

将棋電王戦 HUMAN VS COMPUTER | ニコニコ動画
ここが電王戦のトップ。下に挙げるリンクも、ここから辿れる。ページ下部に、第2回電王戦へのリンクがある。
電王戦に関する記者発表会 - 2013/08/21 13:00開始 - ニコニコ生放送
今日やったニコ生。今回も面白い作りだった。
将棋トーナメントルール
電王戦に出るソフトを決める「将棋電王トーナメント」が11月開催される。そのルール(PDF)。

統一ハード

今回の電王戦は、使用するハードウェアが統一されており、指定のハイスペックPC1台で行われる。
これは、嫌だ。正確には、こう決めた理由を「プログラムの優劣を競う」と言っていたのが嫌だ。GPS将棋は、数百台のPCを使って棋力を向上させた。これは、ハードの物量だけでなく、PCクラスタ用の優れたプログラムがあって初めて実現したのだ。そのプログラムの素晴らしさを無視して「プログラムの優劣を競う」とは何なのか。
実際には、それをわかった上で、演出上そういう表現を採ったのだろう。「予算の都合で」とか「棋力を下げるため」とかは、思っていても言う必要はない。

将棋電王トーナメント

11月のトーナメントで出場ソフトが決まる。これも当然、統一ハード。同じハードを使ったコンピュータ将棋の大会を望む声が一部あったが、期せずしてそれが実現することとなった。自分も、このトーナメント自体は非常に楽しみだ。
ただ、「世界コンピュータ将棋選手権」とは目的が異なる大会なので、どのような参加者が集まるかはわからない。
(追記)このトーナメントで総額500万円の賞金が出るということで、額の妥当性は自分にはわからないけど、今までと違ってある程度の額が明示されているのはよいことだと思う。

タイトルホルダーは出ない

自分もタイトルホルダーが出るのは早いと思っていたが、今回そうなった理由を聞いて「なるほど」と思った。
例えば渡辺竜王が出場することになると、電王戦の準備のため竜王戦の七番勝負に100%の力を注ぎ込めないかもしれない。竜王戦が終わってから準備すると決めても、心のどこかに引っかかってフルパワーを発揮できないかもしれない。それではスポンサーに申し訳が立たない。
同様の理由で、出場予定の棋士がタイトル挑戦権を得たら、やはり他の棋士に代わってもらうようだ。

同一ソフトを貸し出し

個人的には、完全なる同一バージョンで練習できるというルールは、酷すぎると思う。クイズ番組で、リハーサルと同じ問題を出すようなものだ。まあ、定跡に乱数を使うし、思考部もマルチスレッドなら特にタイミングがブレるから、全く同じ手順でハメ殺すことはできないけど。
ただ、練習対局で学習できないのはコンピュータの弱点でもある。1回の対局の勝敗ではなく、(人間の棋士がそうであるように)日々成長していくことも含めて評価するというなら、納得はできる。貸し出されたソフトが、自分で変化することは許可されているのだろうか。実際は乱数を強くするなどの対策で(特に学習せず)乗り切るとしても、それが許可されていないと納得いかない。
開発者としては、バグを発見してもいじれないプログラムが何ヶ月も存在していたら精神的にきつそう。もっとも、人間の棋士と違って、それが対局に影響することはない。
それにしても、ドワンゴからの提案という形でこのルールを入れたのは、さすがと言うほかない。来週末のタッグマッチや相変わらず斜め上のPVなど、盛り上げ方を見ても、絶対に電王戦を成功させたいというドワンゴの意気込みが伝わってくる。

さいごに

ここで勝敗予想をしてみようと思う。
プロ棋士側は、第2回もいいメンバーだったけど、それよりほんの少しでも強いメンバーが揃うとすれば、星取りにジワジワ効いてくると思う。本番バージョンの貸し出しは、言うほど大きくないと予想する。本当に怖いのは第2回を見た各棋士の気持ちだ。
コンピュータ側がよくわからない。Puella αが抜けて激指が入りそうだとは思う。でも他はイメージが浮かばない。棋力としては、PCが1台しか使えないので、全体の平均棋力で1段階下がるだろう。ただ、ソフトの進歩や1台PC向けのチューニングも考えると、相殺する可能性はある。CPUの進歩は期待できない。
総合的に見て、前回よりコンピュータ側がわずかに不利。コンピュータの3勝2敗と予想する。いや全く自信ない。コンピュータが3敗するイメージはないが、1回の結果としては全勝や全敗以外ならいくらでも現れるんだろう。
出場するプロ棋士とソフトが決まったら改めて予想する。