NHK杯、丸山・郷田

郷田は、またしても△34歩。横歩取りになった。丸山は34飛型のまま駒組みを進める流行りの作戦。そこから9筋の突き合いを入れて、いきなり▲45桂と跳ねる!
普通は、とりあえず後手から角交換をするという場面だが、郷田はしばらく考えて△37歩!角取りなのに、それも王手で取れる角なのに、放置して銀頭に歩を叩く。叩くというと違うかな、なでるというか何というか。この歩を放置して角を取ると、桂を取り返した手が飛車に当たるので、喜んで角を取るわけにはいかない。
この歩が入ると、角交換からの△55角がキツい。銀取りを受けずに▲84飛と回ったのが印象的。直後の△75飛が好手で後手が良くなったらしいけど、▲34角や▲24歩などさすがという指し手があって面白かった。
最後は、持ち駒が桂2枚でピッタリの詰み。桂2枚でというのは珍しい。
感想戦がとてもよかった。両対局者に対して今まで思っていたよりも、人間味を感じた。読みの広さ、研究の広さがすごいと思った。