Aパートもいい内容で、「おトイレ行かないのかよ!」みたいなツッコミどころもあるのだが、やはり最後のシーンに全て持っていかれてしまう。ここは、咲のアニメ1期の中で一番好きな場面。
0点になった池田は、六筒待ちでテンパイ。役なしなので立直をかけたいが、立直棒がない。それでもドラ4なのでツモれば満貫。これは天江がテンパイさせたのだろう。そうでなければ、池田のテンパイ気配を感じて不審に思うはず。
天江の支配は、六筒を池田にツモらせない。その上で、自分は六筒を即切り(役がないので池田はロンできない)。池田の様子を見て納得している感じなので、ここまでは(当然ながら)想定内。ここで咲さんがその六筒をポン。天江衣が少しだけ意外そうな声を出す。
そもそもこの場面、清澄と鶴賀は、風越以外からの出和了りしかできないというキツい縛りがかかっている。もちろん嶺上開花もできない(大明槓からの責任払いなら大丈夫そうだけど)。つまり天江は、池田に役なしテンパイさせたうえで当たり牌をツモらせないようにし、あとは自分が直撃を避けていればそれでいいのだ。
そんな中、宮永咲もテンパイしていて、これまた六筒が来れば和了れる形。ここで暗槓から嶺上開花できることは天江も想定していて(わかっていて?)、「(風越が飛ぶから)和了れまい」と思っている。(池田が待っている六筒で嶺上開花できる形だということまでわかっていたかが問題だが、まあわかっていたとしても変ではないよね)
咲さんは嶺上開花を見逃して(これは当然)、六筒を加槓。それを池田がロン!出和了り以外にも、差し込みという手があった。池田は役なしだったが、槍槓なので和了れる。しかも、暗槓のときの槓ドラは池田が暗刻で持っていた一索だ(加槓は成立せず)。槍槓ドラ7で倍満。
支配する・されるという現象は、同じレベル同士で起こることだと思う。咲さんは天江衣を支配していない。一つ上のステージにいる(実力がずっと上だという意味ではない)。最低限の場の支配によって、強力な天江の支配の隙を自然に突いてしまう。
見逃せないのが、池田の強さ。あの場面で槍槓と槓ドラを見逃さないというのは、それだけで強い。そして、その強さを咲さんに信頼されている。相手の能力に支配され和了らされたのなら、「和了ったから強い」とは言えないが、この槍槓は池田の強さを示していると思う。