第2回将棋電王トーナメント(決勝最終日)

面白かった。3日間、引きこもって見てたけど、開始が11時と遅いので朝食後に運動して健康を保っていた。それでもずっと見てると変な疲れ方した。この3連休は電王トーナメント以外にも当然ながら色々なイベントがあり、人はやや少ない感じだった。

面白い将棋ばかり

タッグマッチの菅井習甦新手、△45歩をさわにゃんが指した。後手は△44銀と上がらず△94歩と待つのが好手らしい。本譜は結果的に後手が一手得した。
Seleneはponanzaの挑発に乗り振り飛車。ponanzaは決勝用の作戦として、初手▲78金(△32金)としていた。Seleneの序盤を咎めたponanzaが圧勝。
Aperyは▲26歩〜▲25歩で、対するN4Sの選んだ定跡はよりによって後手藤井システム。Aperyの術中にはまって不利な定跡を選んでしまった。
今回は、相早繰銀の将棋が何局かあった。プロの将棋には現れない戦型がたくさん出てきた。色々な解説が聞ける。普段のタイトル戦とかだと、こういう戦型の話は聞けない。

将棋は読むゲーム

コンピュータは、よく読んでいる。将棋は形や流れで判断できないということを突きつけられるようでつらい。
自分が将棋を始めたばかりのころ、将棋講座を見てわかった気になり実戦で筋よく指したつもりが筋悪な攻めに潰される、ということがあった。アマ低級レベルではそんなもんだ。将棋のセオリーには例外がある。弱い人の将棋は例外だらけなのだ。プロ棋士の解説は鵜呑みにできない。その点コンピュータ将棋はいい。考え方が柔軟で、何でもありだ。

強い

思っていたより全体のレベルが上がっていた。中終盤のパワーがすごい。序盤も強いと思うけど、たとえ序盤で少しリードを奪ってもそれを維持できる気がしない。この決勝は、その中終盤の力が前提になっているように見えた。力が足りなければ無条件で負けだ。
その中でソフト間の違いを感じたのは、力戦形での序盤と玉形。ponanzaがとにかく強かった。今日は、堅く囲った相手を居玉で攻め潰していた。あと、中段での玉さばきも絶品だと思う。

西尾遠山

西尾六段の解説は全部の変化を丁寧に潰していくスタイル。わからない部分に関しても誠実な言葉遣いで、もう惚れた。立会の遠山五段は挨拶がよかったし、解説に回っても面白かった。タイプが違うので、西尾遠山はいいコンビかもしれない。
今日の将棋がどんなに楽しいものだったかを、教えてくれた。

AWAKEの受け

ponanzaが負けるとすれば、攻めが切れ気味になってだんだん評価値が下がっていくパターンだと思っていた。しかし、今日の将棋はponanzaの見落としだ。評価値は一気に動いた。
2時間の持ち時間を得たAWAKEが、力を発揮したと言えるだろう。決め手を与えない受け、そして反撃を含みにした受け。電王戦が今から楽しみだ。西尾六段によると、受けに偏ってるという感じは全然しなかったとのこと。

その他

やねさんがずいぶん丸くなってしまって寂しいw
電王戦の勝敗予想は、11/26に記者発表会があるみたいなので、その後でする。ただ、先月に予想したときの想定よりもコンピュータが剛腕揃いなので、5連勝もなくはないかなと思い始めている(可能性は低いと思ってるけど)。
電王トーナメントが終わったら、急にブログを書く気力がなくなってしまった。昨日までと違って、ひねり出すように書いている。