NHK杯、久保渡辺戦

今年好調の渡辺と、渡辺が苦手とする久保。この対局は楽しみにしていた。
久保が先手となったので、石田流かと思ったが、初手▲56歩。
先手の中飛車に対して、後手はよくある三間飛車。「最近よくやるんですけど」と渡辺。
双方が飛車を浮く形になった。
中飛車側は、先に片銀冠*1を作ってから入城するというパターン。
△84飛と揺さぶり、▲86歩と受けさせる。△64飛と回り直し、▲78金とさせる。
歩越しの飛車で破れるわけないのに何やってるんだと思っていたが、
ここからの攻めがすごかった。
自分の飛車がいないことで△44角と据える形になり、銀冠に対して上から攻めかかる。
端攻めが一段落すると、今度は△87香!
先手玉は囲いから逃げ出して捕まえにくそうだが、あっという間に挟撃形となってしまった。
入玉阻止の指し回しも勉強になった。
手付かずの平美濃を生かした猛攻だった。
渡辺の端への因縁の付け方は恐ろしいものがある。
当たり前とはいえ、端攻めって盤面全体を見てするものなんだなあと感じた。
久保に勝ったら次は深浦。誰かが渡辺に試練を与えているようだ。
この3人は、全員がタイトルホルダー。

*1:"かたぎんかん"と書いたつもり