藤井先生A級残留!

角を打ち合ったところでは後手(藤井)まずいと思っていた。
後手の金が浮いてるから飛車打ちが先手で入るし、
桂香を拾い合った後は銀が酷い場所に残ってしまう。
しかし、△55馬と盤面を制圧し、横の攻めに強い平美濃から、遊んでいた銀が動く!
堅さが違う。これはひょっとして銀の活用が間に合うんじゃないかと、希望を感じた。
解説の先崎八段によると、藤井勝勢。うおおお!
しかし、すぐに空気がおかしくなる。△47銀不成と、働いてない金を取って攻め駒が遠ざかる。
美濃の上に桂香を据えられてしまう。
少し前に先手が馬を作っておいた手が効いている。
あの手を見たときは、「堅い平美濃に、馬(高い駒)が近づいてもなあ」などと思っていた。
正直緩手に見えていたが、今となってはめちゃくちゃに働いている。
手の付け方がわからない平美濃が、あっという間に丸裸。
テレビに姿を現した渡辺竜王は、どう見ても先手勝ちだろという顔をしている。
そうか、もし降級したら藤井渡辺の順位戦が二度と見られないかもしれないんだ。*1
A級入りを決めた渡辺竜王が出てきたことで、降級の意味することがイメージされて辛い。
先手玉はかなり安定した形で、そのまま何事もなく後手投了。
井上木村戦の結果待ちということになった。
こちらは、後手に負けがない状況で、先手の井上八段は持将棋に持ち込むしかない。
しかしそれも点数が足りそうにない。相手も木村八段、間違えないはず。
しばらくして、藤井九段の残留が決まった。3勝6敗、来期は8位でのスタートとなる。
多分大丈夫だろうと思っていたので、結果が出てしまえばどうということはない。
しかし、多分勝つだろうと思っていたのに負けてしまったからなあ。
いやー、勝敗としては、木村八段と森内九段が勝つというのは最もありそうだったのだけど。
やはり振り飛車を指す藤井先生はかっこいい。
できれば勝って決めてほしかったというのはあるけど、
今回の将棋の内容について、本当に楽しませてもらった。
ありがとうございます。

*1:一度目がないのに「二度と」はおかしいか。まあ、今回一度目のチャンスだったということで。