居飛車、最序盤の組み合わせ

▲76歩△84歩

▲68銀なら矢倉(▲76歩△84歩▲68銀△34歩▲66歩)。
▲26歩△85歩は角換わり(▲76歩△84歩▲26歩△85歩▲77角△34歩▲88銀△32金▲78金△77角成)。
▲26歩△34歩は後述の手順に合流して横歩取り

▲76歩に対して後手が△84歩とすると、先手に矢倉か角換わりを選ばせることになる。
厳密には、先手が角換わりを希望したとき、それを避けて横歩取りにすることができるが、
横歩取りをしたいなら、▲76歩△34歩の出だしのほうが矢倉の変化がないぶん得だ。

後手で矢倉をやりたいとき、先手番で角換わりより矢倉を望む相手に対しては、
▲76歩△84歩から矢倉になる可能性も高いが、▲26歩とされた場合のために、
角換わりと横歩取りのどちらかは準備しておく必要がある。
つまり、後手で角換わりも横歩取りもやりたくないという人は、
後手で普通の矢倉を指すことができない(最近の渡辺竜王)。

▲76歩△34歩

▲26歩△84歩なら横歩取り(▲76歩△34歩▲26歩△84歩▲25歩△85歩▲78金△32金)。

▲26歩に対しては、△32金も比較的多い。
これは、▲25歩なら△88角成で、▲25歩△83歩型の一手損角換わり。
▲78金なら△84歩▲25歩△88角成から通常の一手損角換わりにもできるし、
△44歩から力戦相居飛車にすることもできる。
▲26歩に△32金とされた先手は、△44歩と止められるのと、△83歩型の一手損角換わり、
どちらかを避けることができる(一手損角換わり自体は避けられない)。

▲26歩△44歩は、▲48銀なら△42銀から後手が飛車先不突き矢倉にできる。
▲25歩なら矢倉にはできないが、向かい飛車ができる(一時期の藤井九段)。

▲66歩という手もある。素直に△84歩なら、▲68銀で通常の矢倉にできる。
ただし、後手は△62銀としてくる可能性が高い。
それでも先手が矢倉を目指せば、後手飛車先不突き矢倉、右四間などが考えられる。
△62銀にもデメリットはあり、先手は▲78飛から石田流に組める。

▲26歩△84歩

これは相掛かりで決まり(▲26歩△34歩▲25歩△85歩▲78金△32金▲24歩)。
一応、▲26歩△84歩▲76歩で、後手に角換わりと横歩取りを選ばせることはできる。
やはり、角換わりも横歩取りもできない人は、後手番で辛(つら)い。

▲26歩△34歩

ここは▲76歩が普通。上述の▲76歩△34歩▲26歩に合流。

▲25歩もあるが、向かい飛車や▲25歩型角換わりの変化を与えて少し損。
ただし、ゴキゲン中飛車をさせないという効果はある。

補足

上で横歩取りと書かれているところは、後手が一手損角換わりにする権利もある。
▲76歩△34歩▲26歩△84歩▲25歩△32金▲78金△88角成▲同銀△22銀。
ただし、△32金としたところでいきなり▲24歩から相掛かりのようになる変化はある。
これは、横歩取りの手順から先手が横歩を取らなかったときと似た変化。

最近のプロ間では、後手で角換わりをする人が少ないので、横歩取りが多くなっている。
先手が変化しないかぎり後手は横歩取りへ誘導できるというのも大きい。