NHK杯、瀬川広瀬戦

盤面と名前が映っている画面。「瀬」の字が上に2つ並んでいて気持ち悪い。
瀬川四段は今年も本戦に出場、そして「順位戦はC級2組です」!
まだ名人戦の季節なので、順位戦が始まるのはもう少し先だ。
後手広瀬五段のゴキゲン中飛車に、瀬川四段は早く▲46銀と上がる作戦。
46手目、△45桂と跳ねてきた局面。
自分が先手を持っていたとすると、△57銀と打たれても嫌なので、▲58歩と受けたい。
しかしそういう手はないんだろうなあと思っていると、瀬川四段歩を打った!
「プロ的にはなさそうだけど自分がやられたら対応に困る」という手をやってくれると嬉しい。
ここでは、▲11角成の瞬間に△51香。
先手が▲58歩としている時間を使って、竜で取った香を急所に据えた。
竜取りの先手で▲55馬と引けるのとは大違いの展開だ。
マチュア的に無難と感じる▲58歩のデメリットを広瀬五段が教えてくれる。
地味に見える△18竜も、角筋を避けながら先手玉をにらむ味のよい手。
▲28歩として取らせ、▲46角を置くが、これで先手は歩切れ。
ここで先手は香を打ち、取らせることで時間を稼ぐ。
次の▲46歩が、馬筋を止めて今さら桂成りを催促する、よく指せるなという手。
71手目▲42銀。仮に△57歩成▲51銀成△68と▲同金右なら先手がいい。
そこで後手は香取りを受けて△62銀。そこで更に▲41金と足す!
これは何というか、いいのか?と思ってたら△24角。
うん、こういういい受けがあるとまずいよな。
先手は85手目の局面を目指していたようだ(何でも竜を切って金を入手すれば勝ち)。
先手を持って勝った気になる局面だが、しかしこれには△62銀という絶妙の受けがある。
ここからは、「詰めろをかけに来たら詰ましますよ」みたいな応酬の末、後手の勝ちに。
プロの対局は、詰ました方の持ち駒がスッカラカンになるからすごいよな。
今日の格言「強い人の舟囲いは堅い」。