NHK杯、永瀬・佐藤康

少し前に今後1週間の予定を見たら「千日手」と書いてあって、ふざけんなと思った。
公式の予定ページにNHK杯のネタバレとか回避不能すぎる。
が、対局が始まってしばらくすると、そんな気持ちは吹っ飛んでしまった。
先手の永瀬が石田流から、相手の浮き飛車に対して金を繰り出す!
解説の鈴木は、研究会を永瀬とやっている。
イデアマン、常に新しいことをやっていると永瀬を評していた。
角交換から向かい飛車に振り直し、佐藤に△83歩と謝らせた!
永瀬、ここでは早指しだが、研究会では長考派だという。
そして千日手名人。先手番でも千日手にする。指し直しで負けたことがない。
序盤に自信があるんだろうか。ていうかどれだけ研究のストックがあるのか。
佐藤△95歩の突き越しでタイミングをとったか、先手よさそうな局面で千日手
観戦者としても、永瀬の序盤が二度みられるのは嬉しい。
後手ではゴキゲン中飛車を採用。これだけ見ると久保みたいだが、中身はえらく違う。
超速に対して△32金。最近は飛車銀交換の変化を居飛車が避ける。
駒音が力強い。「彼ほど将棋の勉強をしている棋士は今のところ知らない」と鈴木。
△55角。角を換えてからの△84歩。また、お互い手がない将棋になってきた。
佐藤が端を突っかけると、その瞬間後手から玉側の端を突っかける!
そして、またしても千日手。先手の佐藤に千日手を選ばせたのはすごい。
永瀬。何こいつ。今日だけで3局分の研究を放出とか、どんだけストックあるんだよ。
これでNHK杯初の2千日手
指し直し局は持ち時間なし考慮時間10分だったが、今度は持ち時間なし考慮時間5分。
再び永瀬先手の石田流。しかし飛車を浮いて▲96歩を突く形だ。
▲86歩△同歩▲同銀とする。そして▲95歩!またしても序盤うまくやった。
先後の入れ替えで対局者の座る位置がコロコロ変わるため、
カメラが対局者を映したときに混乱する。
さて、鈴木も中終盤の力は佐藤のほうがずっと上だと思っているようだ。
永瀬は受け将棋だが、終盤こういうところで安全策をとる。
だが、少し局面をおかしくしてからも、正確な指し手が続いて勝ち切った。
最後、桂馬を取ろうとして慌てて飛車を打ったところは危なかった。
奨励会:三間飛車党・永瀬拓矢三段、四段へ昇段 - 将棋の神様〜0と1の世界〜
この永瀬。受け8割。解説の鈴木も振り飛車の話が面白い。
佐藤も昨日のJT将棋日本シリーズが凄まじかったのが効いている。
濃密な時間で面白かった。
感想戦がないのと、編集により指し手の間が伝わらないのが惜しい。