ponanzaの定跡選択は変わらず。先手番で全勝。後手番で2敗した相手は、AperyとYSS。昨日、後手番のponanzaの形には右四間が有力という解説があったが、Aperyは自力で右四間にして難解な終盤を勝ち切った。昨日から、Aperyは終盤がはまると強いイメージだったが、そうじゃなくてガチで強い。
決勝は面白い。レベルが高いことは推測できるけど、その中で変な手が出てきてしかも均衡を保っている。最善手かどうかはともかく、ある程度の均衡を保つ指し手の種類というのは思った以上に多いと感じた。
去年までは、中盤や詰みなどの分野でプロ棋士を超える実力を見せていた。しかし、既にコンピュータ将棋はプロ棋士とは別の生物として歩み始めているように見える。実力は大差ないが、プロレベルで異種の存在があるということはそれだけで嬉しい。
以前から注目していたのは、入玉・定跡選択・後手番の作戦だが、これはもう多くのチームが対策している。特に入玉や中段玉の自然さは、見ていて気持ちよかった。定跡選択も面白かったし勝つためには必要なことだと思うが、もちろんオールラウンダーとして戦うのもいいことだと思う。
それに加えて、今回は終盤力がすごかった。以前のコンピュータ将棋は、中盤力と詰みだけで終盤を乗り切っていたイメージだった。本当に「終盤力」と言えるものがコンピュータに身についたら、とんでもないことになると思う。
今年はニコ生があったのでよかった。将棋の詳細な検討は毎年やってほしい。公開しなくてもいい。10年、20年経ったとき、大きな財産になるはずだ。