「格上相手には稲庭、それ以外は普通のBonanza」とか、そこまで行かなくても「相手によって定跡選択や千日手の評価値を変える」のような勝率の上げ方があると思う。なぜもっと多くの人がそういうことをしないのかと思っていたが、いざ自分が出る段になってみるとやはりやりにくい。そもそも相手の強さなんてわからないし、裏目に出たとき得るものがない。少なくとも自分の場合は、これは得策でない。今ならわかる気がする、あれを実行した稲庭将棋の開発者は尊敬に値すると。
変わったことをするのは、観ている側としては面白いんだけどね。出場する側としては、年に一度の機会だし、せっかく遠くまで足を運ぶわけだし、軽々しく奇襲じみたことをする気にはなれない。もちろん、しっかり準備した奇策ならアリだけど、今の自分では完全に力不足だ。今は普通の将棋ソフトを作りたい(早く奇策を考えられるだけの力を付けたい)。
結論としては、今まで通り普通に作るということだが、勝率だけでなく「負けたときに得るものが大きいこと」も重視していると改めて自覚した。それにしても会場遠いなあ(関東外から来る人すごすぎだと思う)。今、どこでもドアが欲しいという気持ちが、これまで生きてきた中で一番強くなってる。