女流名人位戦第3局

先手里見挑戦者の中飛車となった。後手はなかなか角道を開けない。
▲36銀と上がるが、そうこうしているうちに後手はガッチリ銀冠に。
▲78金型では、どうしても堅さ負けしてしまう。
後手を持って負けないとは思わないが、先手は持ちたくないと思った。
▲65歩で戦いが始まる。
先手は桂を成り捨て、△86歩を手抜いて飛車を成る。
そして、金取りを放置して▲25歩!
桂損で飛車を成り込むのはいいとして、
▲24歩の取り込みの代償に金を取られては辛(つら)いのではないかと思っていた。
△35桂と打つ。角の利きを遮断しながら銀取りになっている。
しかし、すぐに△27桂成と銀を取るようでは流れがおかしいと思った。
その後、玉頭戦になり、後手が厚くなったようにも見えたが、難しくてサッパリわからない。
角頭を攻める△55歩。仮にこの手が入るなら、この前の▲17桂はどうだったのか。
106手目、△34同金となった局面。
先手玉の頭がかなり寂しいが、現状では追われても逃げ切れるし、△29金とも待てない。
▲46桂で後手が苦しくなっているようで、歩頭に△15金と出る勝負手がとびだす。
これはひたすら逃げるしかない。
△16金となった局面は怖いようだが、と金の後ろ▲67玉の逃げ道があるので捕まらない。
里見は3連勝で女流名人位を奪取。
今日の対局の前は、ここからそう簡単にはいかないだろうと思っていたが、
決まったときには、観戦して「強いなあ」と思っていたので特に驚かなかった。
▲57角の働きが素晴らしかった。