NHK杯、松尾・丸山

「角も持ってるけど、金も持ってると考えなければいけない」
(飛車取りに角を打って、金を質駒にできる)
野月七段は解説がわかりやすくて好きだ。
将棋が面白いわけだから、わかりやすさは面白さに直結する。
さて、43手目▲79玉と戻ったところ、
この手は、額面通りなら後手に千日手の権利を与えるもので、失敗を意味する。
実際には、後手も手待ちなら、先手は考慮時間を消費せずに仕掛けを考えられる。
しかし後手の丸山は、妥協して時間を与えることをせず、突き越された端から仕掛けた。
普通棋士は盤上では妥協しないものだが、
盤外の「時間」という要素に対して似たものを感じて面白かった。