将棋電王戦プレマッチ

米長永世棋聖 vs. ボンクラーズ。持ち時間は15分、切れたら60秒。
秘策の2手目は、△62玉!これに対し、ボンクラーズは1分以上考えて▲68飛。
2手目はクイズになっていたが、正解者は439人中4人だった。
用意された賞品の色紙は3枚だったが、正解者が4人だったので、
谷川九段がもう一枚書いてくれることに。
米長永世棋聖は、局後△74歩がよくなかったと言っていた。
「私が最善手を指すということは高速道路を作るようなもの」
ボンクラーズの力を発揮させるとわかっていながら、つい指してしまった。
△74歩は本筋っぽいが、確かに△62玉からの構想との一貫性はなかった。
ボンクラーズが駒得となり、41手目を考えているとき。
解説の谷川九段は、▲67銀が本格的、本筋と言っていた。
そしてボンクラーズもその手を指す。
ニコ生では、「さすがタニー」というコメントもあったが、
ここはやはり「さすがボンクラーズ」と言いたい。
プロとコンピュータ、どちらが強いかという問題以前に、
ここは「コンピュータ強くなったなあ」という感動しかない場面。
結果は、まあ先手ボンクラーズの圧勝。どうしても後手が弱く見えてしまう。
△62玉自体も、自宅ボンクラーズに対して大きく負け越していたわけで、
結果自体は特に意外なものではない。
しかし、この68歳の爺さんが、とてつもなく強いというのもまた事実。
人間対コンピュータの戦いは、負けたほうの強さが見えづらいのがねえ…。
ところで、米長永世棋聖の対局する映像を見るのは多分始めてだったと思うが、
普段の米長会長とは全然違って、真剣そのもの。これにはちょっと感動した。
解説、谷川九段も、強くて丁寧な解説で、とてもよかった。
ニコ生にしては「重い空気」という感想が多く見られたが(個人的には気にならないw)、
これは、コンピュータに負けて喜ぶ人間が少ないことによる必然、とも言える。
コンテンツとして捉えるなら、今後の課題になるかもしれない。