第3回将棋電王戦、第5局

ponanzaが後手で選んだ作戦は、横歩取り。▲26歩△84歩▲25歩△85歩▲76歩という意表の手順に、△32金としなかったので、ponanzaは角換わりを避けているように見えた。
ponanzaが△62玉〜△72玉としている。プロの将棋では見ないような形だが、それでも屋敷九段を相手に戦えるというのがすごい。
△75飛もよさそうな手。コンピュータは、空中での感覚が異質だと思う。互角に近い序盤になったので、とりあえず安心した。
その後、コンピュータが苦手と言われる一直線の手順に進んだ。そして、駒割が大差だが形勢が難しいという局面になった。
振り返ってみると、奇跡のように難しい形勢が続いていた。実際の形勢はどうだったのだろう。屋敷九段とponanzaの実力は、分野によって屋敷九段が上とかponanzaが上とか分かれると思う。イビツな関係だけど、力は高いレベルで拮抗している。であるならば、実際の形勢を判断できるものなど存在しない。
自分なら先手を持ちたくない。後手のテリトリーが広く、最善を逃したら負けそうだし、どうやって最善を探ればいいかわからない。後手も玉が危険で攻めが薄いので、もちろんどちらを持っても大変。
先手にミスがあってそのまま終局したが、きれいな投了図になった。屋敷九段は、負けになってからあの投了図を考えてponanzaを誘導していたのだ。すごい技術と精神力だ。
終わり。最終局で熱戦になったのはよかったけど、最後だから会見とかも長くてニコ生の終了が遅くなった。ブログを書く時間がなかった。
残ったのは、これから11ヶ月何をすればいいんだという思い。でも、電王戦から時間が経った今は、世界コンピュータ将棋選手権が楽しみになっている。過去最高レベル(毎年そうだけど)の将棋が見られるんだ。