王位戦七番勝負第2局1日目その2

2012年7月24日〜7月25日 七番勝負 第2局 羽生善治王位 対 藤井猛九段|第53期王位戦
1日目から振り返ってみよう。
3手目▲68飛。これが安心感のある位置でね。△88角成▲同銀△45角の筋がない。
ここから普通に進んで7手目▲38玉。角交換をしなかった。
8手目△32玉。これで後手は、先手からの角交換を△同玉と取れるようになった。
いつもの角交換四間ではない。
△85歩に▲75歩。そして、後手の羽生は両方の端を入れてから飛車を浮いた。
ここで!藤井は▲22角成。王手飛車の筋があり、この瞬間は△同玉と取れない。
▲88銀に、△86歩▲同歩△同飛。これは、飛車を浮いているだけにやりづらい手。
後手82飛型からでもできる手順なので、部分的には手損になっている。
しかし、最善手と思えばそこに突っ込むのが羽生。
ここで藤井は歩を打たずに▲79金と寄った。
対して羽生は△52金右!▲77銀〜▲88飛と飛車交換を迫る手があるというのに。
羽生は、飛車交換を避けて戦えると読んでいるのか。
▲77銀に△84飛と引いた。
ここで@gpsshogiは▲76角を指摘していたが、その通りふわっと▲76角が着手された。
藤井とコンピュータ、違う仕組みから同じ手が出てくる。軽い恐怖。
31手目、▲88飛として歩を狙いに行くが、これを羽生は△93桂と受けた。
序盤の端の突き合いが生きている。これを見ていたとは。
先手は、その弱くなった端を狙う。▲95歩。
歩が切れれば▲92歩△同香▲65角(香取り)の筋がある。
藤井は▲92歩の前に35手目▲95同香と走った。ここは色々あって難しい。
これ以外の場所も難しいに決まっているが、表面的な手順すら追えない。
先に一歩補充してるとか△94歩で予め歩切れにさせるとかいくつかの要素は見える、が。
△94歩に藤井が37手目を封じて1日目は終了。