NHK杯、高橋・島

先手の高橋は、横歩を取らない人。
▲76歩△34歩▲26歩△32金。普通の一手損角換わりの出だし。
▲25歩。これで△88角成なら25歩83歩型の一手損角換わり。
しかし、島は25歩84歩型を希望した。希望を出す代償は、▲24歩の権利を与えること。
高橋は権利を行使して、△84歩に▲24歩とした。
△同歩▲同飛と進んだ。ここで△85歩なら、▲78金で通常の横歩取り模様に合流。
当然、島もそういう展開にはせず、△23歩と打つ。高橋は▲28飛と引く。
△85歩。先手にだけ飛車先を切られているので、ここは伸ばすところだろう。
http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=31121&tekazu=12
さて、この局面。先手から▲22角成と角交換する指し方がある。
不思議なことに、手損のない相銀冠となる。高橋も何回かやっている。
今回は、この形にはならなかった。
13手目、高橋は▲78金。これには△86歩▲同歩△同飛▲87歩。
http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display&kid=73481&tekazu=15
これは、横歩取り模様から先手が横歩を取らなかったときにも表れる局面。
糸谷がNHK杯で指していた。16手目に、後手が戦い方を選ぶことになる。
ここで後手が横歩を取らずに△23歩なら、今回の高橋・島の将棋に合流する。
後手が横歩取りを目指したとき、先手は今回のような相掛かりを希望することが可能。
希望を出す代償は、上の糸谷・丸山のように、後手に横歩を取る権利を与えること。