読めない理由

5手詰ハンドブック、No.57。
可能な初手を列挙して15分くらい考えたが、解けず。
最近は大体5分以内に解けるようになっていたので、答えを見たのは久しぶり。
33に駒を捨てる手は、△同桂と取られても無効なので、△同玉は考えなかった。
しかし、△同玉は▲32角成の1手詰みであり、玉の位置が変わると△同桂でも詰む。
▲32金の初手は、▲32銀成よりも持ち駒が少ないぶん完全に劣ると思ったが、
実は32に銀の利きを残すことで詰む順があった。
上部へ移動する玉に対して、遠い41の銀が働くことがありうるとは考えられなかった。
詰将棋の効用の一つは、自分が安全だと思って使っていた枝刈り手法の穴がわかることだ。
人間にとって、「論理的に正しいという確信」という感情は、「慣れ」によって生まれる。
だから、長い間の実戦を通して洗練された感覚の間違いを知るのはまず不可能なことで、
それを可能にしうる、質の高い詰将棋を解くという行為の価値は、必然的に高くなる。