11話の時点で友奈ラスボス説を考えていたが、最終回を見ても意外とその説は否定されなかった(簡単に棄却されると思っていた)。最初のころに、友奈は春風どれみタイプと言ったが、今考えると超人すぎてちょっと違う。
あえて説明不足にしている部分があるので、2期を見た構成だったように思う。最近は好きなアニメでも2期を望むことは少ないが、これは実現してほしい(他のメディアでやるのかもしれないけど)。
基本的に、しらじらしい描写が多くて苦手なアニメだった。内容的にもそんなに好きなタイプではない。しかし、その内容の描写(作画や演出)が素晴らしく、何も起こらない海回(7話)の空気や、9話の丁寧な描写とそれまでの伏線は、非常にレベルの高いものだった(最終回だけ見るというのは、とてももったいない)。
最終回を見る前は、ドラえもんのオシシ仮面を思っていた。「これは助かりませんよ」という感じだったし、仮にハッピーエンドだったとして日常描写をする時間がない。それでああいう終わり方だったので、やはり2期が欲しい。2期があるなら、かなりいい終わり方だったと思う。友奈と東郷さんが(俺にとって)なじむまで描いてほしい。
ということで、この作品のことを既にけっこう好きになっている。キャラ描写が本当に丁寧で、そのキャラが好きかどうかはともかくとして、その世界に確かにいるという存在感がある。9話では「妹ってこんなにかわいかったのか」と思ったし。
アニメ「結城友奈は勇者である」の徹底したバリアフリー描写が凄い - エキレビ!(1/2)
バリアフリー描写いいなあと思っていたけど、途中で「どこからお金が出てるか」を考えてしまって、そうなるとあまりいい話ではない(勇者システムと関係ない障害者は「ついで」だから)。でも、そうじゃなくて勇者システムと関係なく元からバリアフリー化された余裕のある世界だったかもしれない。最終回を見た後だと、そちらの可能性を信じたい(ちなみに、ハッピーエンドでなかった可能性がけっこう高いと思っている)。
最後に、このアニメで優れていたのはOP/EDだと思う。いいアニメでも、OP/EDはけっこうぶれがあったりするものだ。「結城友奈は勇者である」において、OPは内容に合っていたし、EDは本編の内容をよく吸収した。理想的な働きをしている。最終回のED、友奈と東郷さんが歩いているだけであんなに感じるものがあったのは、東郷さんの脚が戻ったからではない。あの2人の1クールぶんの描写が、少し視点を変えることで一気に噴き出してくるのだ。